🏠 空き家特例、譲渡所得税3,000万円控除について
「相続した実家をどうするか悩んでいる」
そんなご相談を、弊社活動エリアでも数多くいただきます。
誰も住まなくなった家をそのままにしておくと、固定資産税や草刈り、管理の負担が重くなり、
“何となく放置してしまっている”という方も少なくありません。
しかし、いざ売却を考えると必ず出てくるのが——
「売ると税金が高いって聞いたけど、本当ですか?」
はい、本当です。
実は、不動産を売って利益が出た場合には「譲渡所得税」という税金がかかります。
ただし、ある条件を満たせば最大3,000万円まで非課税になる制度があります。
それが今回のテーマ、**空き家特例(被相続人の居住用財産を売ったときの特例)**です。
🧮 1|そもそも「譲渡所得税」とは?
家や土地を売って得た利益は「譲渡所得」と呼ばれ、これに税金が課されます。
計算式で表すと、次のようになります。
💡 譲渡所得 = 売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)
● 取得費とは?
家や土地を買ったときの金額や、建築費、購入時の仲介手数料などが「取得費」です。
しかし、相続の場合は当時の資料が残っていないことが多いため、
その際は「概算取得費」として、**売却価格の5%**を取得費とみなすことができます。
📘 例)
売却価格 2,000万円 × 5% = 100万円(取得費)
また、売却のために支払った仲介手数料などが「譲渡費用」にあたります。
● 実際の税金はどれくらい?
所有期間によって税率が変わります。
| 区分 | 所有期間 | 税率(所得税+住民税) |
|---|---|---|
| 長期譲渡 | 5年超 | 約20% |
| 短期譲渡 | 5年以下 | 約39% |
相続の場合は、被相続人の所有期間を引き継ぐため、通常は「長期譲渡(20%)」となります。
● 計算例
相続した家を2,000万円で売却し、概算取得費5%(100万円)・諸費用100万円とすると——
2,000万円 -(100万円+100万円)= 1,800万円(譲渡所得)
この1,800万円に20%の税率をかけると、
💰 約360万円の税金 がかかります。
🌟 2|ここで登場する「空き家特例」
この税金を大きく減らせるのが空き家特例です。
もしこの特例を使えれば、
1,800万円 - 3,000万円(控除)= 0円
つまり、税金がゼロになることもあります。
まさに「知らなかった」で数百万円損をしてしまう制度です。
この特例は、相続後に放置されがちな空き家を減らす目的で作られました。
国としても、老朽化した空き家の放置を防ぐために、
「売却・活用する人」を優遇しているのです。
🏚 3|適用される条件
では、どんなときにこの特例が使えるのでしょうか。
以下のすべてを満たす必要があります。
✅(1)売却の期限
-
相続日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること。
-
かつ、制度の適用期限である
2016(平成28)年4月1日〜2027(令和9)年12月31日の間であること。
📍たとえば、2024年7月に相続が発生した場合は、2027年12月31日までに売却すれば対象です。
✅(2)建物の条件
-
昭和56年5月31日以前に建てられた一戸建て住宅(マンションは対象外)
-
被相続人が亡くなる直前まで居住していた
-
相続直前に他の居住者がいなかった
-
相続後から売却までの間、住んだり貸したり事業に使っていない
💡 2019年4月1日以降の譲渡では、
被相続人が老人ホーム等に入所していた場合でも、
一定の条件を満たせば対象となります。
✅(3)売却金額の上限
-
売却価格が 1億円以下 であること。
✅(4)耐震基準を満たすこと
家付きで売る場合は、現行の耐震基準を満たしていることが条件です。
耐震改修を行う場合は「耐震基準適合証明書」などの書類が必要です。
改修をしない場合は、解体して更地で売却することで対象になります。
✅(5)売主が相続人であること
相続または遺贈(死因贈与を含む)によって取得した相続人(包括受遺者を含む)であること。
✅(6)買主による解体・耐震改修(令和6年改正)
令和6年(2024年)1月1日以降の譲渡では、
契約書に明記されていれば、買主が翌年2月15日までに解体または耐震改修を行った場合も対象になります。
これは非常に大きな改正で、売主が工事を負担しなくても特例を受けられるケースが広がりました。
📋 4|チェックリスト(簡単まとめ)
| チェック項目 | 内容 |
|---|---|
| 売却期限 | 相続開始から3年経過年の12月31日まで(制度期限2027年末) |
| 建築年 | 昭和56年5月31日以前の一戸建て |
| 居住条件 | 被相続人が直前まで居住(老人ホーム要件あり) |
| 他居住者 | 相続直前に他人が住んでいない |
| 利用制限 | 相続後は居住・賃貸・事業利用なし |
| 売却価格 | 1億円以下 |
| 耐震条件 | 現行耐震基準に適合 or 解体して売却 |
| 相続人 | 相続または遺贈による取得者 |
| 買主工事 | 令和6年以降、買主が譲渡日の属する年の翌年2月15日までに解体・改修してもOK |
🏡 5|富田林・河内長野・南河内郡での実例
たとえば富田林市のK様。
昭和54年築の木造住宅を相続し、2年以上そのまま空き家にしていました。
相続から3年目前というタイミングでご相談をいただき、
当社で解体・販売スケジュールを立案。
結果、売却価格3,200万円・譲渡所得税ほぼゼロ円で成約。
「早く相談しておいて良かった」とお喜びいただきました。
このように、期限管理と耐震・解体の判断が早いほど結果は良くなる傾向があります。
💬 6|よくある誤解3つ
① 相続税の申告期限から3年以内に売ればいい?
→ × 正しくは「相続日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」です。
② マンションも対象?
→ × 区分所有建物(マンション・アパート)は対象外です。
③ 自宅の3,000万円控除と併用できる?
→ △ 同じ年に両方使う場合、合計3,000万円が上限になります。
🌸 7|まとめ
この「空き家特例」は、知っているかどうかで何百万円も差が出る制度です。
条件を整理し、期限を意識して動けば、
税金の負担を大きく減らすことができます。
富田林市・河内長野市・南河内郡には昭和50年代の住宅が数多く残っています。
制度の対象に当てはまる可能性が高い地域です。
書類の準備、耐震証明、価格査定、解体計画、税理士連携——
テクノ住宅販売では、これらをワンストップでお手伝いしております。
💬 「どうせ古い家だから…」と思われた方こそ、
まずは一度ご相談ください。
その家が“負担”から“資産”へと変わる第一歩かもしれません。






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